とっておきの時間と空間と御話で  日本の伝統文化の本物を学ぶ  探訪見学講話型の特別授業
伝統未来塾  「京唐紙・唐長の世界」 
 受講者の報告感想文

第1回「京唐紙・唐長の世界」
日時:2004年04月15日(木)10:30〜12:00
講 師:千田 堅吉(せんだけんきち) 氏
場 所:唐長工房(左京区修学院水川原町)

 とても大切な時間でした。45分も延長して、そのことにも気付かないほど、千田様のお話に引き込まれていました。
 最初に版木を見せていただいた時、そのデザインの抽象的で洗練された斬新さ、江戸時代のものとは思えない木の傷みの少なさ、際立つ彫りの美しさに、驚きました、その版木を明治維新後、需要がなくなり燃やさなければならなかった時の「よく燃え候。地獄でござ候」という言葉、若い頃、化学のものも色々試したがだめで、自然のものばかりだと相性がいいという得心。どんな精密機械よりも精度の高い「手触り」を覚えるまでの修練、光悦・宗達らと共に集まったというデザインへの信頼。京唐紙が日本の風土に適合し、防災上も環境上も秀でているという知恵、技を見せない技の心意気、脇にまわるという美意識 などなどが、歴史をくぐりぬけて連綿と使われ愛され続けたという伝統の意味を「残ったものは良いと信じるべきなのだ」という言葉に集約されて、京唐紙の作品の数々を目のあたりにしながら、つくづくと感じさせて頂きました。千田様の手はふっくらと厚みのあるバレンのようで、柔らかいからこそ微かな違いも感じ取れる、隙間がないからどの部分にも均等に力がかかるのだと納得できる、何十年もの修練の歳月、これまで十一代続いたという血を感じさせました。
 「完璧を求めて30年を経て、今、自然体にゆるすのではなく、あるがままもいいなあと思えるようになった」というお話を、その作品と共にもう少しゆっくりお聞きしてみたかったと、それが心残りです。
 京唐紙の良さを伝えていきたい、という情熱を込めて、私達にも長時間お話をいただき、本当にありがとうございました。
  50歳代 女性   (滋賀県)


 友人のAさんの紹介で、初めて授業に参加させていただきました。ありがとうございました。今日は、唐長の千田堅吉氏の長い伝統を継承され、育て、次世代への橋渡しと、大変なご苦労もおありと思いますが、おおらかでしかも真摯な態度で初心者の私達にお話しくださったお姿に大変感激いたしました。
 あまたあったであろう京都の美術品の中で、淘汰され残ってきたものを素晴らしい文化・美術として育ててこられた方々のお話は、そう簡単に聞かせていただける事はないと思っておりました。しかも岩崎先生の解説つきで間近に見学・勉強をさせていただけて実に贅沢な講座だと思いました。
 次回からも大変楽しみで、都合のつく限り受講させていただこうと思っております。
  60歳代 女性   (滋賀県)


 唐紙を通して、様々なお話を聞くことができ、たいへん貴重な時間を持つことができました。
 近代に入り、西洋文化の生活様式が積極的に取り入れられて、多くの家具が室内を占めるようになりました。それと同時に日本独自の空間の作り方が失われてきたのだと思います。光と影、日本の文化(美意識)で大切にされたのは影のほうです。「間をつくる」「余白の美しさ」建物だけを考えるのではなく、建具や家財、住む人自身、それら全てが作り出す空間を考える。
 今回は、温故知新という言葉を改めて思い出し、考える機会となりました。なぜ残されているのか、大切にされているのか、そこから学び取りそして発見し、生かすことができるようになりたいです。
  20歳代 女性   (京都府)


 私自身、唐長さんの「京からかみ」を愛用していますが、つくり手の思いにふれて、より一層の愛着と「大切にしたい」そして「伝えてゆきたい」と思いました。
 唐長千田氏曰く「からかみは使われる為にある。つくるという事は、使わないといけない」との、良いモノをつくる気構えや、歴史あるゆえに、なんで今まで残ってきたのかを問う姿勢にもあった「信じるべき」という心は、文様や版木と共に、今後も伝えてゆくべき素晴らしき宝だと思います
 私は、私の立場で、この素晴らしき「からかみ」とその心を伝えてゆきたいと思います。
  30歳代 男性   (京都府)


 唐長を訪れ、実際に唐紙を刷っている現場を見学できただけでなく、ご主人でもあり、職人の千田堅吉さんのお話まで伺うことができて、非常に有意義な時間を過ごさせてもらいました。
 もの作りにたずさわっている人の、哲学、こだわり、想いといったものは、一言一言に重みがあり、考えさせられる部分が多くありました。その中でも、「職人に苦労話はいらない」「何気ないことが大事」といった言葉が示す通りの千田さんの謙虚な、一歩下がった姿勢に、強く共感しました。おごれる平家久しからずといいますが、唐長さんの長い歴史は、おごることなく、受け手のことを考えたもの作りを代々続けてきた結果として存在するものなのだと感じました。古き良きものというものは、版木や技法だけでなく、心でもあるのだと思いました。
  20歳代 男性   (京都府)


 唐長さんということで大変緊張しましたが、雰囲気のよい千田さんと岩崎先生のお陰で楽しむことができました。やはり何といっても、自分の目の前で技を見る事ができたのが大変印象的でした。千田さんの、なんというか、どっしりとした落ち着きというものにも関心を覚えました。
 今後ともよろしくお願い申し上げます。
  20歳代 男性   (京都府)

 


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